2011年3月11日、東北を中心とした東日本を大震災と大津波が襲い、多くの犠牲者を出しました。いうまでもなく、その後、東日本大震災と呼ばれることになる未曾有の大災害です。この東日本大震災は、自然災害というにとどまらず、福島第一原子力発電所を津波が襲い多量の放射能をまき散らすという大惨事となりました。この事故は、天災ではなく、明らかにこれまでの日本のエネルギー政策が招いた人災というべきものです。その結果、福島県内の30万人を超える周辺住民が避難を余儀なくされるという、日本の原発事故で初めて、いや、これまでの日本の歴史を振り返ってみても過去に例のない異常な事態となっています。そして現在においても、多くの方が仮設住宅等での不便な生活を強いられています。
2011年6月28日、連帯の会が中心となって立ち上げた脱原発をめざす会・埼玉(代表田島義久、当時の連帯の会の代表でもあります)の主催により、音楽家のナターシャ・グジーさん(チェルノブイリ原発事故の被災者・ウクライナ民族楽器バンドゥーラ演奏者)のコンサート及びジャーナリスト伊藤千尋さんの講演会が開催されました。そのなかで、原発に頼らないエネルギー政策の実現、そして、原発の撤廃を市民の皆様に訴えました。このコンサートと講演会には、400人以上の方が訪れましたが、「チェルノブイリや福島のような悲劇を二度と起こしてはならない」、その強い決意を、連帯の会は、多くの市民の皆様と共有できたと考えています。
にもかかわらず、政府は、現在も原子力がエネルギー政策の要であるとの姿勢を崩しておらず、日本各地に存在する原発の再稼働を実現しようとしています。帰るべき故郷を失った被災者の苦しみを、悲しみを、そして、地震列島である日本の将来の危険を、政府はどのように考えているのでしょうか。さらに、政府は、福島原発の汚染水問題もコントロールされているなどと述べていますが、原子力を完全にコントロールすることができるのであれば、何故、あのような事故が起こったのでしょうか。
連帯の会は、断固として現在の政府の方針に反対し、原発の完全撤廃をめざし、これからも活動していきます。



2011年 6月28日
「原発のない世界を目指す集い」を埼玉会館小ホールで開催。

基調講演にジャーナリストの伊藤千尋さん、チェルノブイリ
原発事故の被災者である、歌手のナターシャ・グジーさんを
迎え「原発に頼らないエネルギー政策の実現と原発の撤廃」
を市民の皆様に訴えました。

■主催:脱原発を目指す会・埼玉(代表 田島義久弁護士)
■後援:弁護士の連帯を強める埼玉の会